サブスクリプションモデルの立上げかたや、構築・運用のノウハウはこちらにも
サブスクリプションモデル・頒布会・単品リピート通販・シェアリングモデルについていくつかのモデルケースを俯瞰しながらおさらいをしていくシリーズ第2回です
前回のコラムでは、「お届け方法を視点」として解説しましたが、
今回のコラムでは、「事業モデル数値」・ファイナンスを視点としてになります。
これを導き出す。コミュニケーション・商品開発については別コラムに譲ります。
単品リポート通販モデルと、サブスクリプションモデルのコラムでも定義しましたが
双方のモデルは、顧客数とLTVの掛け算(集積)でトップライン、ボトムラインが決まってきます。
サブスクリプションの解説書や、コラムは、2Bモデル(SaaSモデル)か、デジタル系コンテンツモデルでの解説が多いですが、
その解説・数式をベースに、物販系のサブスクリプションモデルに読み替えて解説していきたいと思います。
*創造性を働かせることが、他の事業の成功モデルの良いところを取り込んで、昇華させるかが事業のKFSの1つでもあります。
LTV:顧客生涯価値(Life Time Value=LTV)は次の式で計算できます。
LTV計算式=購買単価×購買頻度×継続期間
=都度購入単価or継続購入単価×お届けターム(期間・頻度)×継続回数
とも、置き換えが可能です。
LTVを最大化するためには
「購買単価」
「購買頻度」
「継続期間」
の3つの要素を最大化すればよいので、それぞれに対応する管理指標があります。とは、別のコラムでも解説しています。
顧客心理として、次の3つをクリアしていくことになります。
・初めて利用する→「オンボーディング完了率」
オンボーディングの考え方をサブスクプションのビジネスモデルに当てはめて展開するとわかりやすいです。
サービスを利用開始したばかりの顧客は使い方に不慣れだったり、
満足度を感じるまで、実感を得ていなかったり、使いこなしていないため
このフェーズのままで留まると解約率が上がる(F2・F3コンバージョン率が下がる)ことが知られています。
早く操作に慣れて、商品・サービス満足度を感じていただき、継続してくれる、評価とコミュニケーション状態までのプロセス結果を
「オンボーディング完了率」という指標で活用するのも手です(NPSとも少し違う)。
2Bオンボーディングには「チュートリアル」や「ウォークスルー」などの施策があります。
課題:これを、2Cのモデルで、どのような施策が指標に展開できるか考えてみてください。
・顧客に操作してもらいながら使用方法に慣れてもらう「チュートリアル」
・一通り主要機能を紙芝居する「ウォークスルー」
・活用が進むアクションを示す「チェックリスト」
・購買単価を上げる→「アップセル/クロスセル率」
これも、サブスクモデルでもパターンがいくつかあります。
アップセル「より高いものを購入してもらうこと」:
3つくらいのサービスレンジがあって、どれをチョイスしてもらうか
そして、利用満足度などで、CX(カスタマーサクセス)を実現して、サービスのアップグレードを促すパターンですね。
その究極が、利用料が、”0”円がフリーで
利用頻度などや、より多機能に利用したいと顧客が。”課金”利用料を払う、フリーミリアムモデルですね。
■アップセル例
・エントリープランより機能が多い上位プランへの移行
・オプションとのセットでの割引提示
・複数個での割引提示
・長期間割引の提示
・上位プラン購入で次回使えるクーポンの提示
などありますが、
課題:アップセルの施策を検討してみてください。
クロスセル「ある商品・サービスの購入を検討している顧客に別の商品も購入してもらうこと」:
サブスク利用者が、基本サブスクサービスと、関連性のある(レコメンドする、される)商品・サービスを利用・購入するパターンです。
コンテンツ系や、社会インフラ系の、リカーリングモデルとは、少し違いますので、ご注意を
■クロスセルの例
・Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」レコメンド
・少し古いですが、マクドの「ドリンクやポテトはいかがですか」という声かけ
*カスタマーサクセスを通じて顧客が満足していなければ、押し売りになり受け入れられないので、亡くなったような。笑
などありますが、
課題:クロスセルの施策を検討してみてください。
*だれに
*どの理由で
*どのタイミングで
*なにを
*どうすすめる(コミュニケーション+オファー)
にして、書き出してみてください。
・解約を防ぎ継続してもらう→「解約率(チャーンレート)」
人が相手である限り、解約はどこかで発生はします。(永遠には続きません)
重要なのは、
*解約に至る兆候を知ること
*解約に至る前に、コミュニケーションを通じて、相互信頼関係を構築すること
*解約の理由を知り、改善に役立てること
*改善されたら、戻ってきて貰うこと
です。
*サブスクモデルは、解約率 で見ますが、物販系は、継続率 で見ますね。これも視点が違えば、見方が変わる良い事例です。
CX:カスタマーサクセスの働きかけによって顧客に中長期的に商品・サービスを利用・使用してもらうには、チャーンレート(解約率)が低いほうが良いことはご理解いただけると思います。
チャーンレートには2種類があり、算出方法が異なるのでご注意を
カスタマーチャーン
カスタマーチャーンでは、名前の通り顧客を中心に考えた指標です。
全体の顧客数に対して、どれくらいの解約率になるのかを算出できます。
計算式:解約数÷契約顧客数=カスタマーチャーン
*物販系のサブスクリプションでは、これの逆指標:継続率がポピュラーですね。
レベニューチャーン
レベニューチャーンは収益を中心として考える指標です。
売上に対して解約によるインパクトがどれだけあるのかを算出でき、2Bのサブスクリプションモデルの場合にはこちらが一般的に採用されています。
計算式:(サービス単価×解約数)÷売上=レベニューチャーン
*財務的で、顧客視点ではないのでどうお使いになるかはお任せします。
サブスクモデルの成長の要因
①解約率(RR: Retention Rate)解約率
低下することは、売上の伸びを指します。解約が減ればそれだけ長期に渡って利益が得られます。
②定期利益率(RPM: Recurring Profit Margin)
定期利益率が向上するということは、曲線(普通のサブスクは直線)で売上+利益傾きが上向くことになります。
顧客へのクロスセルを増加させることによって曲線を描けられます。
AmazonPrimeVideoが典型的な事例でしょうか。
フリーミアムを採用していると。
一見利益が非常に小さく見えますが、デジタル系サブスクリプションはフリーミアムと相性がよいといわれています。
Netflix は1か月、Apple Music は3か月の無料期間を設けている事例から憶測してください。(元はGame系でしたが)
それは、それだけ一度契約すれば長期契約つながる可能性が高く、最初の利益を度外視してでも、それ以降で利益を積み上げが計算できるからですが。
③成長効率。
営業・マーケティングコストを抑えることで、事業のマイナス幅が小さくなることが理解できると思います
事業コストマイナスが小さい分だけ、はやく利益が出ることは理解いただけると思います。
しかし、これが、「悪魔のささやき」になります。
これらの詳しいことは、事業モデルを検証するためのEXCELやBIツール+MAツールの活用方法を交えてシリーズで解説していきます。
もっと詳しく聞きたいという方は、弊社へお問い合わせいただくか
「富士ロジテックコラム」でみたと記載の上下記までお問合せください。
MA(marketing automation:マーケティングオートメーション)ツール(システムではなくツールです)
を活用してどうCRMを実施するかを実例に沿って解説していきます。
現状は、数多くのMAツールがリリースされていますが、Eコマースに特化したツールである、EC Intelligence(シナブル社) をベースに進めていきます。
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